チョウジタデ

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チョウジタデ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : バラ亜綱 Rosidae
: フトモモ目 Myrtales
: アカバナ科 Onagraceae
: チョウジタデ属 Ludwigia
: チョウジタデ L. epilobioides
学名
Ludwigia epilobioides Maxim.
和名
チョウジタデ

チョウジタデ(丁子蓼、学名Ludwigia epilobioides)は、アカバナ科一年草。湿地や休耕田などに生育する。別名はタゴボウ(田牛蒡)。

分布[編集]

日本では北海道から沖縄までの各地、中国朝鮮半島ロシア連邦アムール川沿岸やウスリー川沿岸地域、ベトナムなど東南アジアインドなどに分布する[1][2]水田や湿地などの湿った土地に生育する[2]

生態[編集]

茎の高さは30 - 70cmで直立するか斜めに立ち、茎はよく分枝する[1][2]。茎は緑色で赤みを帯びることが多く、稜があり断面は四角形。毛はないが、まれに毛があるものもある[2]

葉は互生で短い葉柄があり、形は披針形(ひしんけい)から長い狭卵形で、葉縁は全縁でなめらか、大きさは長さ2 - 10cm、幅0.6 - 2.5cmほどある[1][2]。表面に側脈が目立つ[3]

花期は夏から秋の8 - 10月で、葉の腋に柄のない倒卵形の径7 - 10mm以下の黄色い花をつける[1][3]。花弁が4〜5枚、萼片が4枚、雄しべが4本、雌しべは1本あり、花弁は萼片より短い[2][3]

果実は棒状の蒴果が実り[3]、褐色で長さ1 - 2.8cm、中に大きさ0.8 - 1.4mmほどの種子がつまっている。染色体数は2n=48[1]

名の由来[編集]

和名は、花後の形が香辛料に使われるチョウジに似ていて、葉の形など全体がタデに似ることからきている[2][3]

亜種[編集]

  • ウスゲチョウジタデ (L. epilobioides subsp. greatexii) - 茎に毛があることなどで区別されるが、特に形態的に異なる点がないとして、同種と扱う考えもある[1]

利用[編集]

特に利用されない。水田雑草として扱われる場合もある。

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f Flora of China (2007) 13: 400–404.
  2. ^ a b c d e f g 内藤俊彦 1995.
  3. ^ a b c d e 山田孝彦 & 山津京子 2013.

参考文献[編集]

  • 内藤俊彦『秋の花』北隆館〈フィールド検索図鑑〉、1995年9月1日、65頁。ISBN 4-8326-0371-X 
  • 山田孝彦、山津京子『万葉歌とめぐる野歩き植物ガイド』(初版)太郎次郎社エディタス、2013年8月15日、101頁。ISBN 978-4-8118-0762-1